- この記事をご覧になっているということは、冷暗所とはどこなのか疑問を持っている方だと思います。
- 食品のパッケージに「冷暗所で保管してください」と記載されている冷暗所とは一体どこなのか?
- マンションの場合、冷暗所はどこになるのでしょう?
- この記事では、冷暗所とはどこなのか?という疑問にお答えするとともに、冷暗所を自分で作成する裏技をご紹介します。
冷暗所ってどこだろう?
- 温度が低くて涼しい場所
- 日が当たらない暗い場所
文字から想像すると、そんな感じでしょうか?暗くて涼しい場所というのは容易に想像できると思います。
では、具体的にはどこなのでしょうか?実は、冷暗所の具体的な場所は決まっていません。なぜなら、それぞれの家によって環境が異なることから、一概には言えないためです。ある家では、納戸が冷暗所に最適だとしても、別の家ではそうとは限りません。
その根拠として、冷暗所について、食品衛生法やJAS法等で法的に定められた明確な定義は存在しません。
常温と冷暗所の違いについて
常温
まず初めに常温についてですが、食品の場合の常温は15~25℃が一般的であると考えてよいでしょう。一般的と書いたのには訳があり、各分野ごとに規格が存在し、それぞれ解釈が異なるためです。
分野 | 規格 | 常温の定義 |
食品 | 食品衛生法 (食品添加物公定書の通則※1) | 15~25℃ |
工業 | JIS(日本産業規格)※2 | 20℃±15℃ (5~35℃) |
医薬品 | 日本薬局方の通則※3 | 15~25℃ |
- ※1.厚生労働省「食品添加物公定書の通則」
- ※2.JIS「JISZ8703(試験場所の標準状態)」
- ※3.厚生労働省「日本薬局方の通則」
食品添加物公定書は、食品添加物の成分の規格や、製造の基準、品質確保の方法について定めたもので、食品衛生法第21条に基づいて作成されています。
出典:厚生労働省 食品添加物公定書
日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。
出典:日本規格協会グループ JISとは
日本薬局方は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書です。
出典:厚生労働省 「日本薬局方」ホームページ
大手食品メーカーの常温の定義も、上記の規格を参考にしているようです。
当社では、JIS規格を参考に、常温の設定温度を28℃としています。夏季は気温が30℃以上になる場合もありますが、常温保存が可能な商品の場合、住居内の保存であれば品質的な問題はありません。
出典:KAGOME 常温とはどのくらいの温度ですか?
冷暗所
一般的に、冷暗所とは「低い温度で一定に保たれた、涼しい場所」のことを指します。
また、一つの参考として、前述の日本薬局方の通則によると、冷所は1~15℃の場所と定められています。この温度が冷暗所の温度の目安と言えるでしょう。
冷暗所に向いている場所
冷暗所の条件 |
---|
湿気が少ない |
通気性が良い |
直射日光が当たらない |
気温が高すぎない |
気温が低すぎない |
気温の変化が少ない |
エアコンの風が直接当たらない |
自分の家の、この場所かな?ってのが頭に浮かんだのではないでしょうか?真っ先に思い浮かんだ場所こそが、あなたの家の最適な冷暗所だと思います。
昔の日本家屋で言うと床下収納が冷暗所として最適なのですが、マンションには床下収納などまずありません。ここでは、冷暗所として使用できる場所をいくつかご紹介します。
1.冷蔵庫
冷蔵庫は、扉の開け閉めを少なくすれば温度が一定に保たれるので、冷暗所として使用することができるでしょう。
ただし、冷蔵庫の温度は一般的に5℃前後なので、塩抜き前の梅干しのように、常温に近い温度が好ましい食品にとっては温度が低すぎるため、冷暗所には不向きです。
何を保存するか?5℃前後の温度で問題ないか?しっかり考えてから、冷蔵庫で保存するようにしましょう。
2.収納棚
キッチン下の収納や食器棚の収納棚は、直射日光が当たらず冷暗所の条件を満たしており、冷暗所に向いている場合が多いです。
ただし、場所によっては湿気が多いことがあるので、除湿剤を入れるなど対策が必要になります。
また、常温保存とさほど変わらない場合は、冷暗所としての使用はあきらめましょう。
3.納戸
マンションによくある納戸も収納棚同様に、冷暗所として使用できます。ただし、納戸についても、湿気が多い場合は対策が必要となります。
私のマンションの納戸は浴室に隣接しており、冷暗所には不向きでした。というのも、梅干し作りの際、塩漬けした梅を納戸で保管していたのですが、残念なことに梅酢が上がってくる前にカビが発生しました。湿気がとても多い場所だったんですね。
4.ベランダ
冷暗所は室内とは限りません。風通しのよいベランダも冷暗所として使用できます。ただし、直射日光のあたらない日陰であることが絶対条件です。
また、気温が高い夏や、気温が低い冬は、冷暗所の条件を満たしません。気温・湿度の変化をチェックしたうえで使用するよう注意しましょう。
5.玄関
意外と思われかもしれませんが、玄関も冷暗所として使用ることができます。位置的に直射日光が当たらないため気温の変化が少なく、頻繁に玄関を開け閉めすることで換気がよくなります。
下駄箱の下に空間がある方は、有効活用できるかもしれません。下駄箱の下の空間についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
6.自作する
実は、冷暗所を自作するというとっておきの裏技があります。その方法はズバリ、クーラーボックスを利用することです。
使い方はとてもシンプル。真夏意外は、クーラーボックスの中に保管したい物をそのまま入れるだけでOK。クーラーボックスは、温度・直射日光…冷暗所の条件を全て満たした最適な場所です。
真夏でも、保冷剤を入れて温度を調整することで、冷暗所として使用できます。
特にサイズの大きなクーラーボックスって、家の中の置き場所に困りますよね?でも、その割に使用頻度は少ない。冷暗所として使用すれば、これまではただ収納していただけのクーラーボックスを有効活用することができます。
この方法ならば、収納に限りのあるマンションでも、冷暗所を作ることができます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。