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【知らないと損】マンションの退去費用はどのくらい?高額請求に備えるための知識とは?

暮らし
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  • これから退去予定のみなさんが気になっているのは、退去費用がいったいどのくらいになるのか?ではないでしょうか?
  • 部屋に傷や汚れをつけてしまったけれど、修繕費用は請求されるの?と不安に思う人も多いことでしょう。

この記事では、実際に退去費用の減額に成功した私が、そんなみなさんの疑問や不安にお答えします。



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退去費用について交渉の余地あり

まず始めに、私の体験談をご紹介します。

4年半住んでいた「2DK・築20年のマンション」を退去した際に、20万円以上の退去費用を請求されました。壁紙の張替えからカーペットの修繕までフルスペックでの請求といった感じです。もちろん、敷金では足りません。

請求内容が大家さんの意向なのか、不動産会社(某大手)の意向なのかはわかりませんが、不動産会社の担当者は、電話でまくしたてるような口調で一方的に請求内容を伝え、こちらには一切反論する隙を与えず、その対応からはかなり手慣れた印象を受けました。

いたるところに古さを感じる物件なので、

自分が全て費用を負担するのは納得できない。

しかし、不動産会社に交渉した結果、退去費用は6万円程度まで減額され、敷金も戻ってきました。

不動産の素人である私が、いったいどんな交渉をしたのか?これから詳しく説明します。

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原状回復義務とは?

賃貸契約を結び部屋を借りていた人は、部屋を貸してくれた人(大家さん)に、部屋を元の状態に戻してから返す義務があります。

ただし、そうは言っても何年も住んだ部屋を、入居前と全く同じ状態に戻すというのは正直難しいですよね?もし新築物件に入居して、そこから数年間居住した場合、新築の状態に戻すのは不可能ですしね。

実は、国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、『原状回復義務とは入居時の状態に戻すことではない』ことが明記されています。

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。

 ⇒ 原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化

出典:国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

わかりやすく言うと、普通に生活していてついた傷や汚れは直さなくてよい」ということです。

以前の私も含め、たくさんの方が

誤解しているのではないでしょうか?

それでは、原状回復義務を正しく理解するために「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の内容をもう少し詳しく説明していきます。



「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の位置付け

国土交通省が定めている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、退去時の現状回復について、貸した側と借りた側のどちらが費用を負担するかでトラブルが発生しないよう一般的な基準をガイドラインとして作成したものです。

通常の使用とは?

誰が住んでいたとしても、普通に生活していれば、時間が経つにつれて壁紙やフローリングが少しずつ傷んでくるのは当然のことです。このように、建物や設備が少しずつ劣化していくことを経年変化と言います

ガイドライン的には、通常の使用による経年変化分は毎月の家賃として支払っているという考え方なので、退去時の修繕費用は貸した側が負担することになります。つまり、通常損耗・経年変化については、原状回復義務がないということです

ただし、明らかに通常の使い方では発生しない傷などは、借りた側が費用を負担しなければなりません。また、必要な掃除を怠っていたなど管理状態が悪かったことで発生した汚れについても借りた側の負担となります。

経過年数の考慮とは?

上記の内容に該当し、借りた側が費用を負担する場合であっても、借りた側が全額を負担することにはならないと、ガイドラインに明記されています。

経年変化や通常損耗が含まれており、賃借人はその分を賃料として支払っていますので、賃借人が修繕費用の全てを負担することとなると、契約当事者間の費用配分の合理性を欠くなどの問題があるため、賃借人の負担については、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させる考え方を採用しています。

出典:国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

建物だけでなく、壁紙やカーペットなどの設備には耐用年数というものが設定されていて、壁紙とカーペットはともに耐用年数6年となっています。どのくらいの期間使用できるかを定めたものが耐用年数であり、減価償却資産の考え的には、耐用年数に設定された期間で費用を配分します。

通常の使用による経年変化分は、毎月の家賃として支払っているため、借りた側が全額負担するとなると合理性に欠けることから、借りた側が負担する金額は経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させる、というのがガイドラインの考え方です。

退去時の請求内容について、

私が不動産会社に問い合わせたのは、

「経過年数は考慮されているか?」ということです。

そして、4年半という居住年数からすると、

全額負担する必要性のないことを主張しました。

ただし、経過年数を超えた設備であっても、借りた側の故意・過失によって破損させてしまった場合には、借りた側の負担となることがありますし、また、経過年数を考慮しないものもありますので注意が必要です。ご自分の環境・状況と照らし合わせて、ガイドラインを熟読するとよいでしょう。

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「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の法的効力

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は以前から存在していましたが、あくまでも「参考とすべきもの」であり、法的な義務はありませんでした

しかし、2020年4月に改正された民放(債権法)では、ガイドラインの考え方が明記されたたため、法的な効力を持つこととなりました

(賃借人の原状回復義務)

第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

出典:e-Govポータル

敷金なし物件は怪しい物件ではない

敷金なしの物件は以前から存在していましたが、初期費用が安くなるというメリットがある一方で、退去時に高額な費用を請求をされるのではないか?という不安を持つ人が多かったと思います。

しかし、現在は以前に比べ敷金なしの物件が増えているのをご存知でしたか?理由としては、入居時に敷金を預かっても、退去時にそのほとんどを返還することになり、敷金を預かる理由・必要性が薄れてきたためと思われます。また、2020年4月の民放(債権法)改正時に、敷金のルールが設定されたことも理由の一つでしょう。

第六百二十二条の二 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。

一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。

二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。

2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。

出典:e-Govポータル

民放(債権法)改正により、ガイドラインの考え方が明記されたこと、また、敷金のルールが設定されたことで、今後は退去費用に関するトラブルは激減するのではないでしょうか?



最後まで読んで頂きありがとうございます。